2015年現在でも日本人がアルジェリアへ入国する際は観光・ビジネスに関わらず、またいかなる日数においてもビザが必要です。
私はアルジェリアへ旅行に行くにあたってチュニジアの首都チュニスにあるアルジェリア大使館で申請しました。
アルジェリアはほんの10数年前まで内戦があったため観光産業は発達しておらず、観光しにいくだけでもビザが要求される国です。
チュニジアに住んでいたある日の春頃、急にアルジェリア行ってみるか!という気分になったので職場の閑散期の合間(さすがに仕事を休んで行ってはないはず・・・)にささっとアルジェリアビザを取って手ぶらでアルジェリアの首都アルジェーに行ったことを覚えています。
さて、日本でアルジェリア入国ビザを取得する場合・・・、
- ビザ申請書 2部
- 推薦状または招聘状-商用-家族訪問
- 写真2枚
- 有効期限が最低6ヶ月残ったパスポート
- 申請料 4000円
- 現地旅行会社の予約証明
- 現地ホテルの予約証明
- 航空券の往復チケット証明
が必要になります。
他のサイトでも見ましたが個人観光客として申請するのは現状、困難の模様。
一方、私はツアー旅行などには興味が無く一人でぶらぶら散歩したい、現地人に混じって現地人と遊んでいたいタイプなので上記の条件ならビザをそもそも申請してません。
しかしチュニジアで働いている日本人の場合はどうなるのか前例も無かった為、とりあえずアルジェリア大使館へ行って聞いてみることに。
インターネットで適当にアルジェリア大使館と検索して出たアドレスを見るとチュニスのLe Lacというお金持ちの街にその大使館はあるということなのでタクシーに頼んで大使館前まで連れてってもらいました。
タクシーの運ちゃんですらアドレスを見てもよくわからず通行人に聞きつつ大使館前らしき建物の前に到着。
そしてタクシーから降りた私はそばにいた軍人に用件を言い建物の入り口を聞いて・・・って軍人さんの肩にかけたドデカいマシンガンが私の心臓に向かってるぅー!
さすがに怖いので手で銃先をそらしつつ話を聞いてたら軍人さんニマニマしてました。
教えてもらった厳重な入り口から入って入り口のそばにいたおじさんに「すいませーん、ビザ一個くださーい」と言ったら「ビザはここではやってないからチュニス市内の大使館で取ってね。」と即蹴。
ここまで行くのにタクシーで片道7ディナールですぞ!?
そこで泣き喚いても意味が無いのでビザを処理してくれるその大使館の場所を教えて頂き、以後の予定は翌日にしてカフェテリアでだらけていました。
しかも教えてくれた大使館は家から徒歩で行ける場所だったし・・・。
仕切りなおして翌日、教えてもらった情報を頼りに大使館へ向かいました。
近場まで来たところで近くを歩いていたおっさんにちょうど良く挨拶されたので「アルジェリア大使館の場所知らない?」って聞いたら道案内してくれました。
かなり入り組んでいた場所にあったので一人じゃ絶対見つからなかったはず。大感謝。
大使館のインターフォンを押そうとしたら後ろから大使館のおばさん職員がちょうどドアを開けて大使館に入ろうとしていたので「あの、ビザを申請しに来たんですけど」と言ったら「今日はもう午後3時だから業務は終わってるわよ。午前にいらっしゃい。」とまたまた門前払い!
「えー!午前だけだったのー!?」とぐずっていたらすぐにまた別の職員さんが入り口に戻ってきて「入りな。」と中へ入れてくれました。
おばさん職員が別の職員さんに伝えてくれたみたい。大感謝二番目でした。
中へ入ると、応接間へ通されて、「ここで待っててね」と言われ部屋に一人放置プレイ。
かなり豪華な部屋だったので緊張して姿勢よく座ってたらまたドアが開き、清楚な背の高いおばさんが入ってきました。以後サラと呼びます。
すぐにピンと立ち、丁寧に握手をしてご挨拶。大使さんには特に態度に気をつけたほうがいいです。
ビザが下りるか下りないかも大使さん次第ですから。
ビザが欲しい旨を伝えると「チュニジアに住んでるの?」と聞かれたので「むしろここで働いてますよー」と答えると、「あっ、それならちょっと待っててね」と部屋をまた出るサラ。
だいぶ落ち着いてきたので応接間を見渡してみると大きい地図がでかでかと・・・。
そういえばアルジェリアって基本どこも黄色以上、赤色多数ですよね。外務省の安全度指数では。
となってます。
応接間の地図を見て少し不安になり(本当に行って大丈夫かな・・・)と思っているとサラが3枚の紙を手に戻ってきました。
「申請書はこの2枚ね。この1枚の紙にはビザ申請に必要なものが書いてあるから、あなたの場合は・・・これとこれとこれね」
と必要品リストにチェックを入れてくれたサラ。
紙を読んでみると
- ホテルの予約証
- 記入済みの申請書2枚
- パスポート
- チュニジア労働ビザ
- 申請料120ディナール(当時で7000円くらい)
と、日本で申請するよりかなり緩い条件でした。アルジェリアの隣国であるチュニジアの労働ビザを持っていたのがかなりでかいようです。
チュニジア人の場合はアルジェリア入国にビザは不要のようですし。
「午後はこういう風にビザ業務はしてないから書類を準備したらちゃんと午前に来てね」と言われたので、「もう~僕の為にわざわざこんな時間に対応してくれてありがとござますぅ~」とニャアニャア。
それでも大使のサラはニコニコして出口まで見送りまでしてくれました。
さっそくカフェテリアに寄り申請書を即記入、その夜にアルジェリアのホテルの予約をホームページで・・・。と思ったらアルジェリアのホテルを検索してもなかなか結果が出ないし、出ても3つ星ホテルでさえ10年くらい前のかなり雑なつくりのホームページの有様でした。
で、しかも名前と泊まりたい日時とEメールアドレスだけしか入力欄が無い。とりあえずは適当に入力して確定を押してみる。
するとなんとあなたの予約を受け付けましたとのページが!やったー!ホテル予約完了ー!
って、予約確認のメールも来てないし予約後のページにはあなたの予約を受け付けました本当にとだけしか出てなく私の名前など表示無し!
??と思いつつそのページのスクリーンショットをとりあえず取って行き着けの印刷屋で印刷してもらう。
印刷屋のおばちゃんたちも「こんなのを印刷してどうするの??」と不思議そうに聞いてきましたが私だって知らないよアルジェリアのばか。
さっそく全ての書類をそろえたらきちんと午前に大使館へ。ちゃんと頭の片隅で道を覚えてて少しだけ迷ったものの大使館に行けました。
サラに書類を渡したらサラもビックリ仰天。「なにこれ!?」と。さすがにこれは受け入れられないようで「あなたの出発希望日時まで4日くらいしかないから他の書類は受け取って処理を進めておくけどちゃんとあなたの名前と支払い確認が出来る状態のページを印刷して持ってきてね」
とまた出戻りを要求されてしまいました。
その時にアルジェリアの地図を見ながら「本当のこと言っちゃうとアルジェリアってけっこう危険なイメージがあるんですよね・・・。旅行しちゃっても大丈夫ですか?」と聞くと「たしかに観光客もあまり来ないからイメージ先行な所があるけど変な所行ったり夜出歩かなければ大丈夫よ。あなたは車で行きたいのよね?電車のほうが安全だと思うわ。ちなみに私の出身地はアルジェリア南部なの。あそこはとてもキレイで人もよく・・・」と続けるサラ。
事後談ですが、私がアルジェリア旅行中に見事に同じ県でフランス人の観光客がアルカイダに捕まって首切られてました。あっぶねー!
実はチュニジアのチュニスにはアルジェリアとチュニジアの国境まで行く乗り合いタクシーもあり、25ディナール(1200円)ほどで行けるらしいです。
しかしやはり6時間以上かかるらしいので私は最終的に飛行機に変更しました。せっかくの旅行に腰を痛めて満喫出来ないというのはちょっと嫌だったので・・・。
アルジェリアンエアーの航空券、チュニス・アルジェー間で往復3万円くらいでした。ついでに1ヶ月後くらいにアルジェリアエアーの飛行機墜落してました。
その夜、またインターネットを駆使し、ホテル予約で定番のサイト、Booking.comに登録し、シェラガというところにあるホテルを適当に予約しました。
このサイトならきちんと名前も出る。支払いは宿泊日当日まで行われないけど予約確認ページをサラに見せたら特別に許可してくれました。
さらに労働ビザを返してくれた際に50ディナール(2500円)も同封されていたので「お金が入ってますー!?」と聞くと「申請料、私が間違えてたみたい笑」と返金してくれました。すごい誠実に接してくれてとても嬉しかったです。
「私たち、良いお友達になれると思うわ。フェイスブック持ってる?」と聞いてくるサラ。
大使のお友達なんて願ってもない。日本に帰った今でも時々フェイスブックでメッセージをくれます。
他国の大使館の大使さんたちも実はこんな風にフランクなのかな。
「3日後のあなたの出発日の朝までに頑張ってビザをあなたのパスポートに発給しておくから朝飛行機に乗る前に来てね」
と、アラブ人らしからぬ発言。
ビクビクと3日間を過ごし、アルジェリア出発の朝、大使館へ行ってみると陽気な窓口のおっさんに30日有効のアルジェリアビザ付きパスポートを渡されました!
その後大使館を出てから空港に行く前までも既に色んな出来事がありましたがそれはまた別の記事にて。
はい、以上、私がアルジェリアビザを取得した時の話でした。
幸運が重なりこのような経緯で個人旅行でビザを取得する事が出来ました。
ツアーだと高いし自由に動けないから嫌なのよね。ツアー参加したことそもそも無いけどどんな感じなのかしら。
ツアー旅行した事ある方、是非お話聞かせてください。