チュニス駅でホームレスたちとトランプ

2012年の1月頃の話です。 当時、チュニジアに在住していた日本人の方から「チュニジアの南部を旅行したいから案内してほしい。」と言われて、Tozeur(トズール)という所に行くことになりました。

夜10時頃、私は同居人のフランス人ポールに「いってくるよー!お土産楽しみに!」と言い残し、日本人の人(以降Nさんとします。)とアパート前で合流。

 

 

La Gare de Tunis駅

 

やはり南部への移動はLa Gare de Tunisというチュニスにある主要駅から向かうのが定石なのでさっそく駅へ夜行列車のチケットを買いに向かう。

昼間は人がいっぱいいて賑やかな駅ですが夜10時、人はほとんどいません。
というか当時の情勢もあってチュニス全域、夜出歩く人は多くありませんでした。

駅へ行ってみると入り口が閉まっている。
おかしいなと思って駅員に聞いてみると「線路が壊れていて南部までは走らないんだよ。」との事。
何かが壊れているとかはこういうことはしょっちゅうだったのであまり驚きもしなかったのですが、
「今日、南部へ旅行に行きたいんだけどいつ直る?」と聞いたら
「数ヵ月後くらいは・・・。あるいは来年かもな!ハッハッハッハ!」と返されました。ひっぱたくぞ。

でも南部へ行けるバスが早朝から出るとの事でバスステーションの場所を教えてもらいました。
それでも出発は明朝。時刻は未だ22時過ぎ。

仕方が無いのでとりあえずバスステーションまで実際行ってみて朝7時出発のバスを予約しました。
その時点の時刻は夜中の1時過ぎ。アパートに帰るのも癪だったので夜中のドキドキ散歩をしていた時のことです。

 

 

戻って駅の前にまた差し掛かったときに、小さな10歳くらいの男の子が私に寄ってきて私が持っていたコーラのペットボトルを指差しました。
私のコーラを欲しがっているのはわかりましたが乞食など珍しくも無く片っ端から応えていたら私までもがホームレスになってしまいます。
「僕のしょんべんならやるぞ~!」と股間を突き出したら彼はまた駅の中へ走って退散していきました。

 

同伴のNさんが疲れたのか「ちょっと休もうよ。」と言うので私たちは駅の前で腰を落ち着けました。 10分くらいして路上に寝転がっている私の視界に今度はホームレスのおっさんが覗き込んでくるのが入りました。

起き上がって「何?」と聞くと「そんな所で何やってるんだ?」と聞かれたので(至極当然)経緯を説明。

結局、彼も一緒に座って世間話が始まりました。


Mak「ところでさっき10歳くらいの男の子が出歩いてたけどこんな時間に危なくない?なんなのあの子。」

ホームレス「あぁ・・・。あの子はねぇ、家が無いんだよ。お父さんもお母さんも殺されちゃってるからね。まったく世知辛い世の中だ。」

Mak「あぁ、そしたらさっきなんか申し訳ないことしちゃったな。飲み物欲しがってたみたいなのにあげなかったんだよ。」

 

と、ずっと沈黙状態のNさんを横に雑談していたらいつのまにか他のホームレスおやじが2人加わっていました。
ほんでもってなぜか酔っ払った青年も一人追加。
そしてさらに先ほどの10歳の男の子も。
4分の1くらい残ってたコーラをあげたら喜んでました。

 

しばらくして一人がトランプを出しました。
ホームレスのおっさんに「おまえもやるか?」と聞かれましたが、ルールがわからないので最初の数回は様子を見ると答えました。
今ではルールとか完全に忘れてしまいましたが覚えているのはあいつら金賭けてやがるということ。
しかも10歳のおまえ、タバコ吸うな、おい。

彼らは1ゲーム始める毎にたいてい多くて900ミリームほど賭けていました。
2~3回ほど見届けたら私もなんとなくやりたくなったので入れてもらい、ルールを説明してもらいながらやってみました。
アラビア語で説明されたので1ゲーム目、2ゲーム目ほどはなかなかうまく手札を作れなかったと思いますが3ゲーム目でやっとブタから脱していたと思います。

 

途中でお腹が空いて愚痴ったら男の子が菓子パンをくれました。
それ、頂きました。遠慮なくパクっと。
ひとりで大人しくしていたNさんにもあげようとしていましたがNさんは断っていました。
ホームレスの手で触られたものが嫌だったか、さすがに10歳のホームレスから食べ物をとるわけにはいかなったか。
でも私は10歳のホームレスから食べ物を遠慮なく頂いたんです。菓子パン、ジュースとか美味しかったです。

 

トランプでギャハギャハ遊んでいたら時間もあっという間に3時過ぎ。
酔っ払いと4人くらいのホームレスもどこかに散り始め、私たちもバスステーションまで向かう事になり、お別れ。

地べたに座って夜な夜なトランプをやる日本人とチュニジアのホームレスたち。きっと奇妙な光景だったことでしょう。
今も生きてるかなぁあのホームレスたち。生きてるといいな。

 

私は今後もいろんなホームレスたちとのイベントが起こるのですがそれはまた別のお話。

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